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食中毒を防ぐバイオテクノロジーのお話

2008年06月30日 食中毒を防ぐバイオテクノロジーのお話

毎日うっとうしい梅雨空が続いて、身体までふやけてしまいそうですね。

このシーズンに心配なのが食中毒ですが、今回は食中毒を防ぐバイオテクノロジーのお話です。

食中毒は有害な微生物や化学物質などを飲食してしまったことによって起こる、中毒(嘔吐・下痢・発熱)のことをいいます。湿度が高く、気温もほどほどに高い梅雨のシーズンには食中毒の原因となる細菌やカビが繁殖しやすいので、食中毒が多く発生するのです。

では、この食中毒の原因となる細菌を、食品などで繁殖させないためにはどうすれば良いのでしょうか? ・・・・
簡単な方法としては加熱して、殺菌してしまうことです。しかし、サラダのように生で食べるものにはこの方法は使用できません。化学的に合成された保存料を使用する方法もありますが、これは極力避けたいところです。そこで、より自然かつ安全な方法で食品を加工・保存する技術として、バイオプリザベーション(biopreservation)が注目されています。

私たちが食品として、もしくは食品に含まれるかたちで長年食べてきた植物・動物および微生物を起源とした抗菌作用のある物質をバイオプリザバティブ(biopreservative)といい、これを利用して食品を加工・保存することをバイオプリザベーションと呼ぶのです。例えば、乳酸菌による発酵食品(チーズ、ヨーグルト、キムチなど)は、乳酸菌による発酵で食品に抗菌性(保存性)が加わる代表的な例です。

近年のバイオテクノロジーでは、この乳酸菌が作り出す抗菌性のもとになる物質に注目して、この物質を自然に近い安全な保存料として利用する研究が進められています。
身体の中に入れるものですから自然がいちばん! 食中毒の原因となる細菌やカビを寄付けないけど、人間の身体には無害! そして味も匂いも変わらない!
こんな食品加工・保存の技術が新しいバイオブリザベーションなのです。

がんばれバイオテクノロジー がんばれバイオブリザベーション
食中毒の原因となる細菌をやっつけろ

以上、元祖月曜日担当の中島でした。

なお、中島だけではとても心細いので、月曜日担当に強力な助っ人が2名加わりました。ひとりはこの前の書込みをしてくれているこばやしさんです。 もうひとりは今後の登場となりますので、お楽しみに!

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