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オープンキャンパス・体験入学

かもすぞー!!

2008年07月03日 かもすぞー!!

いきなりハイテンションなタイトルですが、前々回の「今日の一冊」である「もやしもん」の決めゼリフの一つですね。気が付いたら(バイオ系限定かもしれませんが)あちらこちらで聞くようになりました。

で、気になるのは「もやしもん」を読んで「醸す」=「菌が増殖する」だと思っている人も多いらしいことです。「もやしもん」をよく読んでみましょう。実は「醸す」≠「菌が増殖する」という使われ方をしています「醸す」というのは本来は(こうじ)に水を加えて、酒や醤油などをつくる。醸造する。」(大辞林より)という意味ですので、作者は拡大解釈をしていても今のところ「菌が増殖して何かを生み出す」というニュアンスは維持しているように思います(確か初見はセレビシエの発言だったかと思います)。

酒造りから転じて物議をかもす」とか「雰囲気を醸し出す」という言葉に使われていた「醸す」ですが、どう見てもほぼ死語だったのが復活したのは「もやしもん」効果だったと言えるでしょう。

ところで、醸すと発酵するというのはほぼ同義語だったりするわけですが、なんと「醸し発酵」なる言葉が存在します。いにしえの昔の武士の侍みたいな感じですが、赤ワイン醸造でブドウの皮や種子、果柄などを果汁といっしょくたに発酵させる方法を言うそうです(野崎、突然興味を持って勉強中)。ちなみにワインの原料であるブドウ(Vitis vinifera)は全ゲノム塩基配列が昨年報告済みです(それもブルゴーニュの誇るピノ・ノワール)。

そういえば、日本工学院八王子専門学校は東京工科大学とキャンパスを共用しておりますが……なんとキャンパス内(+付近)にはブドウ属野生種(エビヅル:Vitis Thunbergii)も自生していました。実が見てみたいのですが…それまでに雑草として刈り取られてしまうのかなぁ…いや、かもす気はないですよ…たぶん

 

今日の一冊

 

99.9%は仮説 思い込みで判断しないための考え方竹内薫

 

野崎が推すのは漫画やらラノベやらばっかりだと思ったらいけません。本来真面目ですからね(そこ、吹き出さない!)。

というわけで、これはいい本です!

意外とみんないろんなことが「仮説」の上に成り立ってることに気が付いていないんですよ。

あたかもそれが「正しい」かのように説明されてることも実は「仮説」にすぎないケースがほとんどです。科学的なものの見方を身につけるには最適な入門書と言えるので、是非一読をお勧めします!

 

担当:野崎

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