食品とバイオテクノロジー (4)
2008年07月28日 食品とバイオテクノロジー (4)
月曜日担当の中島です。 ご存知かと思われますが、学校はすでに夏休に入っていますが、書込み曜日担当は死守させていただきます
ということで、今回は先週書き込ませていただいた味噌(ミソ)の種類について説明させていただきます。
味噌(ミソ)は古来からの加工食品(下注参照)ですので、日本中にいろいろな種類のものが存在していますが、基本的には原材料、特に麹(コウジ)による分類と色・味による分類の3種の分類方法があります。
まず麹(コウジ)ですが、麹菌を繁殖させる材料として米・麦・大豆がありますので、米麹を使用した味噌は米(麹)味噌、同様に麦(麹)味噌、豆(麹)味噌という分類になります。
次に色は、赤味噌と白味噌に大きく別けられます。しかし同じ赤グループに分類される味噌でも微妙に色合いが異なりますし、赤味噌と白味噌の中間ぐらいの色の味噌(淡色味噌と分類される場合もあります)もあります。
そして味ですが、甘口と辛口の違いは含まれている塩分に関係します。しかし塩辛く感じるかどうかは塩の含有率だけで決まるものではなく、アミノ酸を多く含んでいると塩含有率が高くても塩辛く感じない場合もありますので、「塩分が何%なら辛口」と一概に言えない面もあります。
味噌(ミソ)は茹(ゆ)でた大豆に麹(米か麦か大豆)と塩を混ぜて発酵させて作られるわけですが、茹でた大豆の分量に対して麹の種類と分量、塩の分量によって味や色合いが変わってきますし、発酵中の温度管理や発酵途中でかき混ぜるのかどうかでも変わってきます。また大豆を茹でずに蒸す場合もありますし、大豆をほとんどあと形も無くなるまですり潰すものと、ある程度原型を残すようにしているものなど、それぞれの味噌特有の方法があり、それらの手法の違いによっても味や色合いが大きく変わってくるのです。
日本を旅しているとその地方ごとに異なる味噌料理を味わうことができますが、一般的に北側の地方は辛口の味噌が多く、南側に行くにしたがって甘口の味噌が多くなるようです。
味噌文化で有名なのは、何といっても愛知県(特に名古屋)ですね。名古屋の味噌は八丁味噌(はっちょうみそ)と呼ばれる豆味噌で、濃い赤色で独特の渋みがあります。この八丁味噌をベースに作った味噌ダレをトンカツなどにかけて食べる味噌カツや、うどんと野菜を煮込んで食べる味噌煮込みうどんなどは、今では全国的にも知られていますね。
下の画像は愛知県(豊田市)に出張した際にコンビニで発見した、マルちゃん(東洋水産)の味噌煮込みうどんです。東京地方でマルちゃんの“うどん”というと、キツネとタヌキしか売られていませんが、愛知県ではやっぱり味噌煮込みうどんが売られているのですね。こういう食文化も面白いものです。
注釈
一説によると、味噌は飛鳥時代(6世紀後半から8世紀初頭)から作られていたとのことです。
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