食品とバイオテクノロジー (5)
2008年08月04日 食品とバイオテクノロジー (5)
月曜日担当の中島です。
『食品とバイオテクノロジー』シリーズも、いよいよ5回目となりました。今回は麹(コウジ)と手前味噌についてです。
前回・前々回の説明で味噌作りに麹(コウジ)が欠かせないものであることは、お判りいただけたと思います。我々日本人の食生活において、麹を使用して作られる発酵食品は欠かせないものになっています。
どのような発酵食品があるのかといいますと、代表的なものとしては味噌、醤油(ショウユ)、日本酒、食酢、味醂(ミリン)、焼酎(ショウチュウ)などがあり、この他にも麹を使用した漬物や、これも漬物の一種と分類されるのかもしれませんがイカの塩辛(シオカラ)などに麹をいれる場合もあります。イカの塩辛にお米の粒のようなものが入っているのに、気がついたことはありませんか?
ご存知の方もいると思いますが、麹(米麹)はスパーマーケットなどでも入手することが可能なのです。どこのスーパーマーケットでもというわけにはいかないと思いますし、シーズンによっても売られている場合と売られていない場合があるようですが、何ヶ所かで尋ねていただければ見つかるのではないかと思います。また、ネットで販売している業者さんもあるようですので、とにかく一般の人でも入手可能なことは確かです。
さて、麹を入手してどうするのかといいますと、家庭でも簡単に作れる麹を使用した発酵食品として甘酒と味噌の製作をお勧めします。ちなみに、醤油は製造に長い日数と本格的な技術が必要となりますので、手前醤油はかなり難しいようです。また日本酒や焼酎などのアルコール製品については、法律によって個人で製造することは禁止されています。
中島が入手したことのある麹のパッケージには甘酒の造り方が書いてありましたが、甘酒は素人でも簡単に1日あればできてしまうそうです。お砂糖はまったく使用しないのですが、優しい甘さで香ばしい甘酒はとても美味しいですよ。
味噌の方は甘酒より若干手間がかかるようですが、製造期間としては3ヶ月ぐらいから1年とのことです。手間がかかるといっても難しい工程があるわけではなく、気を使わなければならないのは分量の配分と温度管理ぐらいとのことです。麹が好きな温度は20度前後ということですので、キッチンなどの直射日光のあたらない屋内に置いて優しく扱ってあげれば良いようです。
前回の書込みで説明させていただいたように、味噌は麹・大豆・塩の分量と、熟成時の温度やかき混ぜる作業などで色も風味も大きく変わるとのことですので、いろいろと試してみてお好みの味噌を作ってみたり、名古屋名物八丁味噌など独特な味噌が作れるか実験してみても楽しいと思います(ただし大豆麹が必要です)。また、化学調味料も合成保存料も使用していない、まさに天然100%の味噌を作ることができるので、なによりも安心ですよね。
手前味噌(てまえみそ)という言葉があるように、自分で工夫して作った味噌の味は、誰もが自慢したくなるほど美味しいようです。インターネットを検索すると自家製味噌の作り方を紹介しているページもありますので、参考にしてみると良いと思います。
さて、下の画像ですが、これは前回掲載させていただいたマルちゃんの味噌煮込みうどんとは別のもので、別の愛知県出張時に発見した寿がきや(スガキヤ)食品さんの味噌煮込みうどんです(寿がきや食品さんは愛知県に本社がある食品メーカーです)。
愛知県ではいろいろなメーカー製の味噌煮込みうどんが売られているようです。さすがに味噌文化で名高い地方だけのことはありますね。
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