ちょっと気になる……
2008年10月17日 ちょっと気になる……
12日にNature Geneticsのオンライン版に載った2報の論文…
タイトルは…
Susceptibility variants for male-pattern baldness on chromosome 20p11
と
Male-pattern baldness susceptibility locus at 20p11
要するに男性型の脱毛症の遺伝子がX染色体上にあることがわかった、という論文です。
まだ、要約をざっと斜め読んだだけなので詳細は見ていないのですが、アンドロゲン(男性ホルモン)の受容体(以前に脱毛症の原因遺伝子として見つかっていた)の変異型と同時にこの遺伝子を持ってしまうと禿げるリスクが高くなるというもののようです。日本人がいったいどのくらいの頻度でこの遺伝子を持つのかはわかりませんが、この論文によれば7人に1人は両方の遺伝子が変異型で、その場合に禿げる可能性は約7倍になるようです(やたらと7に縁のある論文ですね)。
禿げとか病気にかかりやすいとかいう性質は遺伝するのですが、多くの場合、遺伝的要因よりも環境要因に強く影響されます。このような形質を「量的形質」というのですが、関係する遺伝子の数が複数あり、以前はこのような形質の遺伝子を特定するのは困難でした。ところがDNAマーカーを用いる技術が発展し、目的の形質の個体に必ずあるDNAマーカーを探すことで、目的の形質に影響している遺伝子が染色体上のどこにあるかを見つけることができるようになりました。
このようにして日本や中国ではイネの収量を制御している遺伝子や早生、晩生を決める遺伝子や高さを決める遺伝子などが見つけられたりもしています。
今日の一冊
楽しい昆虫料理(ビジネス社)
満を持しての登場です。
隣で河内先生が笑い転げています。
夏に…本屋で平積みされていたのでふと手に取ってしまったのですが…
それが運のつきでした。
シュールな口絵の写真と秀逸な解説が痛快な一冊です。
タイトル通りの本なので、虫が嫌いな人には絶対にお勧めしません。興味のある方のみ一読してみてください。
野崎
n-90811554 at 18:40 | この記事のURL | |