学びとは楽しみを叶えるツールです
2022年02月03日 学びとは楽しみを叶えるツールです
2021年11月20日に文化祭である『紅華祭』が実施できました。コロナ禍で多くのイベントが中止にならざる負えなく、2年生の学生さんにとっては入学後初めてのイベントらしいイベントになりました。
2021年度学園祭「第17回
紅華祭」webページ:https://koukasai.jp/neec/
2017年度学園祭の模擬店の様子
応用生物学科ではコロナ禍前までは学科全員で食品の販売とお楽しみ理科教室の様な体験イベントを行っておりました。食品の販売ではメニュー決定に至るまで資材調達の方法、原価計算、販売計画などを綿密に計画していきます。
さらに製造方法プロトコルの作成や製造場所への入退室方法や衛生管理法まで事細かに行っていました。ある意味、応用生物学科の学びの中心がここに入るイベントでもありました。
「楽しい」を叶える
今年は在校生対象で模擬店の出店は無しであったり新型コロナウイルス感染症にかなり配慮してのイベントの開催です。オンラインや展示を中心として密集を避けいつものコミュニティで活動をすることになりました。
クラスの仲間と一緒に何かできる事になるので「楽しい事」をやろうと計画を立てはじめます。そして、折角なので学び得た技術を生かそうという事で話が前に進みます。
食べ物は生物・化学の学びの宝庫
食品を安全に食べられたり、よりおいしくしたり、保存期間が長くなったりするのは食品原料に対して生物的・化学的反応を制御して人間に対して好ましい作用をもたらす方法を長年の歴史でもって人類が獲得してきたからです。
その代表例は発酵食品であり、日本では味噌・醤油・日本酒などがありヨーロッパではチーズ・パン・ヨーグルト・ワインなどが有名です。そして多くの人が発酵食品の味や風味に魅了されています。
発酵の勉強はまさに応用生物学科の「微生物学」や「応用微生物学」で学び食中毒の防止などは「食品化学」や「衛生学」にて学びます。
ピザづくりに挑戦しよう!
紅華祭の出し物は「発酵技術大会 ピザづくりに挑戦!」となりました。さらに自分達でチーズも作りトッピング用に使おうという事になりました。中にはベーコンも自分で作りたいと燻製までするつわものも現れます。
話はどんどん膨らみ具材は地元JA八王子の獲れたて八王子野菜を使いたいとイメージが膨らんでいきます。
仕込みは具材づくりから
紅華祭でピザを作るために、まずは具材の仕込みから行いました。今回作ったチーズは熟成の必要のないモッツァレラチーズです。チーズ作りでは、まず牛乳を温めた後、酸と酵素を入れしばらく保温しておきます。すると、牛乳の中のカゼインというタンパク質が凝集して、やわらかい杏仁豆腐のように固まります。この反応は、授業で習うタンパク質の酸による変性と加えた酵素によるものです。授業で教わった反応が牛乳の中で起こっていることを想像しながら、固まるのを待ちました。牛乳が固まった後は、ザルを使ってホエイ(乳清)を除いてカード(固まった牛乳)のみにし、80℃のお湯の中で捏ねてチーズの繊維をそろえることでモッツアレラチーズ特有の弾力が生まれます。十分に捏ねた後は冷水で冷やした後、塩水に浸けておきます。
また、生地は長時間の発酵が必要になるため、朝早くから仕込みました。ピザ生地はシンプルに強力粉、水、塩、ドライイーストのみで作りました。まず材料を混ぜた後、大理石製のプレートの上で良く捏ねます。この捏ねる作業の際に、小麦粉の中に含まれるグリアジンとグルテニンというタンパク質が結びつき弾力のあるグルテンが出来上がります。これが、生地に弾力を与え、もっちりとした生地になります。次に乾燥を防ぐために濡れ布巾をかけて生地を40℃で30分保温し、酵母による一次発酵を行います。この時、微生物である酵母は小麦粉に含まれている糖などを食べて(代謝して)二酸化炭素を発生します。この時に発生した二酸化炭素のガスが、グルテンの繊維に閉じ込められることにより、生地がふっくらとなります。その後、ピザ1枚分の生地に分け、冷蔵庫にいれて低温での二次発酵を行いました。
JA八王子の農家の方から直接購入したジャガイモやサツマイモをホクホクに茹でたり、新鮮なホウレン草を切ったり、素材の味だけでも十分美味しい野菜達を具材にするべく準備しました。
いよいよ本番ピザ作り
具材や生地の仕込みも終わり
さらにトッピングを乗せたピザはオーブンなどではなく、石窯で焼くことができました。この石窯は本校の土木・造園科の学生さんが作ったものです。このように本校には様々な学科があることから、分野の違う学科とのコラボレーションが可能なことも強みです。
焼きあがったピザは感染症対策のため、焼き立てを食べたい気持ちをぐっとこらえて、
このように応用生物学科では、授業で学び得た知識を活かして、実践につなげるような取り組みにも力を入れています。
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